駅まで乗ったバスの車内は新しい車独特のにおいに満ちていて、そういえばおじいちゃんは車をころころ買いかえていたからいつ乗せてもらってもこのにおいがしたな、あのころはまだ運転ができるくらい丈夫だったなあと思ってしんみり。本屋で立ち読みしてたらインストの「恋は水色」が流れてきて、瞬間ぶわっとイヤ〜な気持ちになったのでなんだこれ?と思い返してみたら、小さいころ入ってた病院の面会終了時間を告げる音楽(蛍の光的な)がそれだったんだった。夕食を病室に運ぶワゴンの音が廊下にカタカタひびいてあのメロディーが流れはじめて、あーお母さんが行っちゃう帰っちゃう、ってあの感覚や風景が写真みたいに一気によみがえってきて対処に困ったのでさっきゅうに本を閉じて店を離れた。においや音って記憶と直で結びついていてこうして不意うちでやってくるのね。